この記事のポイント
・動画編集を視野に入れるならGPUのエンコード性能がゲーム性能以上に重要
・CPUはコア数とシングルコア性能のバランスで選ぶのが基本
・メモリは4K編集なら32GB、長尺・8K素材なら48GB前後を目安に
・ストレージはNVMe SSD 1TB以上、できれば2TBクラスを確保
・ゲーミングPCはグラフィック性能が高いため、動画編集との兼用機として相性が良い
ゲーミングPCが動画編集にも向いている理由
ゲーミングPCは、もともと高いグラフィック処理能力を前提に設計されているパソコンです。高解像度・高フレームレートの映像をリアルタイムで描写するためのGPUやCPU、メモリを搭載しているため、同じパーツ構成がそのまま動画編集の作業負荷にも活かせます。
特に最近の動画編集環境は、4K・8Kといった高解像度素材や、AIを活用したノイズ除去・自動字幕・カラーグレーディングなど、計算負荷の高い処理が一般的になってきました。こうした処理はCPUだけでなくGPUの支援を受けることで大幅に高速化されるため、グラフィック性能に強みを持つゲーミングPCは動画編集機としても理にかなった選択になっています。
ポイント: ゲーミングPCは「ゲームもできて、動画編集もできる」一台二役のマシンとして人気が高まっています。趣味でゲームを楽しみつつ、プレイ動画の編集や配信アーカイブの加工もこなしたいという人には特に向いている構成です。
CPU選びの基準
動画編集においてCPUが担う役割は、タイムライン上でのカット編集やエフェクト適用時のレスポンス、そしてエンコード処理の一部です。コア数が多いほどレンダリングは速くなりますが、タイムラインの操作感はシングルコア性能に左右されるため、コア数とクロック周波数のバランスが取れたモデルを選ぶのが基本です。
デスクトップ向けでは、16コアクラスの高性能CPUが4K編集でも余裕のある動作を実現します。ノート型のゲーミングPCを選ぶ場合は、同じシリーズでも省電力版ではなく、型番末尾に「H」や「HX」が付く高性能版を選ぶことで、編集作業時のパフォーマンス低下を避けられます。
注意点: 見た目のクロック周波数だけで判断せず、コア数・スレッド数・冷却設計までセットで確認すると失敗が少なくなります。特にノートPCは冷却性能次第で長時間の書き出し作業時に性能が落ち込むことがあります。
GPU選びの基本
動画編集においてGPUは「映像を映すためのパーツ」ではなく、「映像の計算を担うエンジン」としての役割が年々大きくなっています。タイムラインの再生プレビュー、エフェクトのリアルタイム表示、そして書き出し時のエンコード処理まで、幅広い工程でGPUの性能が作業効率を左右します。
最近のハイエンドGPUは、専用のエンコード回路を複数搭載することで、書き出し速度が世代を追うごとに大きく向上しています。新しいAV1コーデックへの対応も進んでおり、同じ画質でもファイルサイズを抑えられるため、アーカイブ用途や配信用素材の管理がしやすくなっています。マルチカメラ編集を行う場合も、複数のデコーダーを搭載したモデルであればスムーズに作業できます。
知っておきたいこと: GPUのVRAM容量も見落とせないポイントです。4K素材を複数レイヤーで扱う場合、VRAMが少ないとプレビューがカクついたり、書き出し中に処理が重くなったりすることがあるため、8GB以上を目安にすると安心です。
| 用途 | 推奨メモリ容量 | 推奨ストレージ |
|---|---|---|
| フルHD編集中心 | 16GB | NVMe SSD 512GB〜1TB |
| 4K・長尺編集 | 32GB | NVMe SSD 1TB〜2TB |
| 8K・多レイヤー編集 | 48GB前後 | NVMe SSD 2TB以上 |
メモリとストレージの目安
動画編集ソフトは、プレビューや編集履歴のキャッシュを大量にメモリ上へ展開します。フルHD中心の編集であれば16GBでも動きますが、4K素材や長尺の作業を行うなら32GBが安心です。複数のアプリを同時に起動しながら作業するスタイルなら、余裕を持って多めの容量を選んでおくと快適さが変わってきます。
ストレージについては、NVMe SSDを選ぶことが大前提です。素材データとキャッシュファイルはあっという間に容量を圧迫するため、512GBクラスだと心もとなく感じる場面が多くなります。1TB以上、できれば2TBクラスを用意しておくと、ゲームのインストール容量と動画編集用の作業領域を両立しやすくなります。
選び方のコツ: OS用のシステムドライブと、動画素材を保存する作業用ドライブを分けておくと、読み書きの競合が減り、プレビューの滑らかさが安定しやすくなります。
おすすめのパーツ・製品6選
ここからは、ゲーミング性能と動画編集のしやすさを両立できる製品を、パーツ単位・完成機それぞれの視点で紹介します。
ASUS ROG Strix G16
ハイエンドのモバイル向けCPUと大容量メモリを組み合わせたゲーミングノートPCです。グラフィック性能に優れたGPUを搭載しているため、ゲームを快適に楽しみながら、外出先での動画の下書き編集やサムネイル作成といった作業もこなせます。ディスプレイのリフレッシュレートが高く、動きのある映像素材のチェックもしやすい点が特徴です。
こんな人におすすめ: 自宅だけでなく出先でも編集作業を進めたい、持ち運び前提でゲームと動画編集を両立したい人に向いています。
MSI Katana 15
価格と性能のバランスが取れたゲーミングノートPCです。ミドルハイクラスのGPUを搭載し、フルHDから4K編集まで無理のない範囲で対応できます。初めてゲーミングPCで動画編集を始めたいという人の入り口として選びやすいモデルです。
NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti搭載グラフィックボード
自作・BTOデスクトップ向けのグラフィックボードです。複数のエンコーダーを搭載した世代のGPUで、動画の書き出し時間を大きく短縮できます。新しいAV1コーデックにも対応しており、同じ画質でもファイルサイズを抑えたアーカイブ運用がしやすくなっています。ゲームの描写性能も高く、重量級タイトルを高画質設定で楽しみながら、動画編集時のエンコードも快適にこなせる一枚です。
注意点: グラフィックボード単体で導入する場合は、電源ユニットの容量やケース内のエアフローも合わせて確認しておくと安心です。
AMD Ryzen 9 9900X
マルチスレッド性能とシングルスレッド性能の両立を重視したデスクトップ向けCPUです。多くのコアを活かしたレンダリングはもちろん、タイムライン操作時の軽快さにもつながるクロック性能を備えています。ゲームでのフレームレートの安定感にも定評があり、ゲーミングPCの核として選びやすい一枚です。
Crucial T500 NVMe SSD 2TB
高速な転送速度を持つNVMe SSDです。動画素材の読み込みやプロキシファイルの生成、キャッシュの書き込みといった処理を素早く行えるため、プレビューの引っかかりを減らせます。容量にゆとりを持たせることで、ゲームタイトルのインストールと動画素材の保管を無理なく両立できます。
Corsair Vengeance DDR5 32GBメモリキット
動画編集ソフトのキャッシュ処理やマルチタスク時の安定性を支えるメモリキットです。32GBあれば4K編集中にブラウザやチャットアプリを並行して開いていても動作が重くなりにくく、ゲームプレイ時のロード面でも安心感があります。既存のゲーミングPCのメモリを増設する際の選択肢としても扱いやすい製品です。
知っておきたいこと: メモリは2枚1組のデュアルチャンネル構成にすることで、シングル構成よりも帯域幅が広がり、動画編集時の処理がスムーズになりやすいとされています。
構成を選ぶときのチェックリスト
- GPUのエンコーダー性能とVRAM容量を確認する
- CPUはコア数とシングルコア性能のバランスを見る
- メモリは編集する解像度に応じて16GB〜48GBで検討する
- ストレージはNVMe SSDを1TB以上、作業用と分けられると理想的
- ノートPCは冷却性能と高性能版CPUの採用を確認する
選び方のコツ: 普段プレイしているゲームの推奨スペックと、編集したい動画の解像度の両方を基準にすると、オーバースペックや力不足を避けやすくなります。
デスクトップ型とノート型、どちらを選ぶか
自宅での利用が中心なら、拡張性が高く冷却にも余裕のあるデスクトップ型ゲーミングPCが有利です。将来的にGPUやメモリを交換できるため、長く使い続けやすいという利点もあります。一方で、外出先や別の部屋でも作業したいという人には、ノート型ゲーミングPCの機動力が魅力になります。
どちらを選ぶ場合も、動画編集を見据えるならGPUのエンコード性能とメモリ容量を最優先で確認し、そのうえでゲームタイトルの推奨スペックと見比べる、という順番で検討すると選びやすくなります。
こんな人におすすめ: 配置場所が固定できるなら拡張性重視のデスクトップ型、持ち運びや省スペースを重視するならノート型を選ぶと失敗しにくいです。
まとめ
動画編集を視野に入れたゲーミングPC選びでは、ゲーム性能だけでなく、GPUのエンコード性能やVRAM容量、CPUのコア数とシングルコア性能のバランス、そして編集する解像度に応じたメモリ容量が重要な判断基準になります。ストレージについても、NVMe SSDを十分な容量で確保しておくことで、ゲームと動画編集素材の両方を無理なく管理できます。パーツ単体での増強や、完成機としての購入、どちらを選ぶ場合も、今回紹介したチェックポイントを基準にすれば、ゲームも動画編集も快適にこなせる一台を見つけやすくなります。
動画編集もできるゲーミングPC選び|スペックとおすすめ構成をまとめました
ゲーミングPCは高いグラフィック性能を備えているため、動画編集との兼用機として非常に相性が良い選択肢です。GPUのエンコード性能、CPUのバランス、メモリとストレージの容量という4つの基準を押さえることで、ゲームプレイと動画編集の両方を一台で満足できる環境が整います。これから購入を検討する際は、今回紹介した製品やチェックリストを参考に、自分の編集スタイルとゲームタイトルに合った一台を選んでみてください。
























