ニュースの要約
- 国立がん研究センターと株式会社piponが共同開発したRAG型AIチャットボットにより、がんに関する誤情報を大幅に削減することに成功
- 公的ながん情報を基にした設計により、従来の生成型チャットボットと比べ誤情報(ハルシネーション)の発生を大幅に削減
- 医療分野での安全性の高いAI活用に向けた取り組みとして評価されている
概要
株式会社piponは、国立研究開発法人 国立がん研究センターと共同で、公的ながん情報をもとに安全性の高い回答を行うRAG(Retrieval-Augmented Generation)型AIチャットボット基盤を構築しました。
本基盤を用いた評価研究の結果は、国際オンライン医学誌 JMIR Cancerに「Reducing Hallucinations and Trade-Offs in Responses in Generative AI Chatbots for Cancer Information: Development and Evaluation Study」として掲載されています。
本研究では、がん患者さん・ご家族・一般の方向けに、インターネット上の誤情報によるリスクを減らすことを目的として、公的ながん情報サービスを土台とした高精度なRAG型AIチャットボットを開発しました。
piponは、このRAGシステム全体の設計・実装・運用基盤の構築を担当し、国立がん研究センターが医学的評価・解析を行いました。その結果、従来型のチャットボットと比較して、RAG型チャットボットは医学的に誤った内容(ハルシネーション)の発生率を大幅に抑えることができることが確認されました。
本取り組みは、公的・エビデンスベースの情報に限定してAIが回答することで、がん患者さん・ご家族への誤情報リスクを大幅に低減させる可能性を示したものです。また、「わからないときは答えない」設計により、医療分野に求められる安全側のAI設計思想を実現しています。さらにガイドラインや学術論文など、情報源の拡張によって、医療機関・公的機関向けの高信頼RAGチャットボットへの発展も期待できます。
編集部の感想
編集部のまとめ
RAG型チャットボット:国立がん研究センターとがん情報の「誤ったAI回答」を大幅削減する共同開発についてまとめました
株式会社piponと国立がん研究センターの共同開発により、がん情報の提供に特化したRAG型AIチャットボットが実現しました。従来の生成型チャットボットでは約40%の回答に医学的に誤った内容(ハルシネーション)が含まれていたのに対し、CIS参照RAGチャットボットではそれを0%まで削減することに成功しています。
この取り組みは、公的ながん情報サービスを土台とすることで、がん患者さんやご家族への誤情報リスクを大幅に低減させることができると評価されています。また、「わからないときは答えない」という設計思想により、医療分野に求められる安全性の高いAI活用を実現しています。
今後は、ガイドラインや学術論文など、情報源の拡充によってさらに高精度なチャットボットの開発が期待されます。本取り組みは、医療分野におけるAI活用の新たな可能性を示したものといえるでしょう。
参照元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000061053.html















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